WordCamp Osaka 2019ひとつきおくれのアドベントカレンダー31日目。大トリです。さいごはWordCampのつくりかたについて書きます。
WordCampのつくりかた。実は簡単
WordCampはやりたい!と思った人がWordCamp Organizer Applicationに申し込み、WordPressコミュニティに『いいよー!』と言われれば実行委員長になり、WordCampをつくることができます。あとはぱーっと準備して、気付いたら開催してて「いやー。大変だったけど楽しかったねー!」ってなります。『ぱーっと』の中にたくさんのタスクがありますが、まぁなんとかなります。
WordCampをつくる上で重要なこと
WordCampをつくる上でとても重要なことは仲間を集めることと仲間をサポートすることです。自分がやりたいWordCampに、賛同を得て仲間(実行委員や、サポーター企業、参加者)を集めないことには、つくることができません。そしてその集まった仲間たちが楽しく困らずに『つくること』をサポートすることが重要です。
そう、仲間がすごい大事。エモい…こんなことあまり書きたくない…けどほんとに大事なので今回は書きます。
仲間大事
そもそもなぜWordCampやろうと思ったのか
私がWordCampをやろうと思ったのは『子連れOKなカンファレンス作りたい』とか『初めての人に登壇して欲しい』とかいろいろと理由はあったのですが、理由の約50%を占めていたのは『WordPressコミュニティがどうなっていくか間近で見たい』でした。
「なにそれ?」と思う方もいるかもしれません。実は2018年、日本のWordPressコミュニティは大変激動な年でした。WordBenchというコミュニティが終了し、新たにというかもともと世界的には活動していたWordPress Meetupというコミュニティが日本に生まれました(生まれたという言い方があってるのかはわからない)。ちょうどWordBenchが終了するという時期にWordCamp Osaka 2018が開催され、その時のコントリビューターデイの司会をやっていたのが私です。もちろんコントリビューターデイでもその話題となり、当時の私は『このコミュニティ、どうなっていくんだろう…』と感じていました。
そんな中、次回のWordCamp Osakaの実行委員長に推薦?していただいたのですが、ふと思ったんです。『これは、WordPressコミュニティがどうなっていくのかを、砂かぶりで見れるのでは』と。これが実行委員長をやろうと思った最初の理由で、約50%を占めています。
で、どうだったか
WordCamp Osaka 2019ではたくさんの仲間がWordCampをつくるのを手伝ってくれました。実行委員もそうですし、サポーター企業のみなさん、当日来場した参加者の方々のご協力のおかげで100点満点とはいかないものの、素敵なイベントとなりました。
コミュニティについては約1年眺めましたが、特に何も変わらなかったです。WordBenchがなくなったからといって悲観してる感じはなく、いつもどおり自由に活発で、前向きでたまに暴走しつつもコミュニティが運営されていました。『このコミュニティ、変わってるけど強いな。』というのが私のこの1年の感想です。
で、なにが言いたいか
WordPressコミュニティには変わっていますが強い仲間がたくさんいます。もし、あなたが『こんなWordCampやってみたい!』と思っているのなら、ぜひWordCamp Organizer Applicationに申し込んでください。きっとその強い仲間がサポートします。『でも、ちょっと不安…』って時は、遠慮せずにWordPress MeetupやWord Slackに参加して、相談してみてください。きっと「お前、蹴っただろ!」って勢いで背中を押してくれます。
というわけで、最後エモい感じになりましたが、ほんとに素敵でつよつよな皆さんに支えられて、無事開催できました。そんなすてきなWordCamp Osaka 2019のアフタームービーができましたので、ぜひご覧ください!!
最後に。じつは途中まで真面目に『WordCampはこんな手順でつくります』って記事を書いてしまってて、消すのもったいないなと思ったので、↓に簡単なつくりかたを記載します。
WordCampのつくりかた
WordCampをやりたい!となったら、WordCamp Organizer Applicationに申し込みます。必要なのはこの申し込みと100%GPLかどうかです。ハンドブックには『大きめなイベントの運営経験がない場合はWordPress Meetupを一度運営してみるといいよ。』と書いていますので、なにかしらイベントの運営経験があった方がよいようです。私はたまたまいくつかのコミュニティの運営経験があったので、このあたりは特に問題視していませんでした。今回はダブル実行委員長でしたが、申し込みは私がやりました。ほどなく、『**月**日**時からオリエンテーションしませんか?』的なメールが届きます。
オリエンテーションには大抵の場合、開催予定のCamp専属の日本人メンターがWordPressコミュニティから配属されます。『初めてのWordCampでどうしたらよいかわからない!』となっても、メンターがサポートしてくれるので安心です。メンターとのオリエンテーションでは、いつ開催する予定か?想定してる参加者は?どんなWordCampにしたいか?など聞かれます。予め『こんなWordCamp』というのを想像しておくとよいと思います。WordCamp Osaka 2019は『会場は梅田近辺、300人規模で秋ごろに開催したい。今回は子連れや参加に躊躇してる方など、普段来ない方にアプローチしていきたい。』という旨を伝えました。なお、オリエンテーション前後で、WordCamp専用サイトを用意してもらえますが、ここでは開催すると言ってはいけません。
WordCampは大きなイベントなので、とてもひとりでは運営できません。実行委員会を立ち上げ、実行委員を募集します。募集はWordPress Meetupや周りの人に声をかけていくとよいでしょう。実行委員ももちろん100%GPLが求められます。募集時に確認するようにしましょう。WordCampの規模にもよりますが20-30人程度確保した方がよいと思います。少なすぎると人手不足で炎上しますし、多すぎると作業分担に苦労したり、活躍できない人やROMる人が出てきます。実行委員を集めたらチームを作ってそれぞれに割り振ります。WordCamp Osaka 2019では
- デザイン
- 広報
- 企画
- セッション
- スポンサー
- 当日スタッフ
- 撮影
- 会計
というチームを作りました。ここで軽く自慢しますが、WordCamp osaka 2019実行委員の男女比は 1:1 です。急な自慢でしたが、WordCampはダイバーシティを求められます。性別や年齢・人種などはいい意味で考慮せず、誰でもウェルカムな状態にすることが望ましいです。今回は男女ほぼ同数、年齢幅も広く、とてもバランスのよい構成になりました。
オリエンテーションが終わった後にWordCampの開催にいくらかかるかおおまかな予算を作成して、提出する必要があります。予算は先ほどのWordCamp専用サイトの管理画面に予算申請フォームがあるので、そこを利用して作成します。予算を作るということは、会場に見積もりをとったり、作りたいノベルティを仮定しておおよその金額を調べたりする必要があります。早速、構成した実行委員に作業をお願いして大まかな見積もりを作成します。この時点で、おおよその会場、サポーター企業の数、参加費の有無などが決まっていきます。予算を提出すると、『予算レビュー』があり、各項目についてのチェックと質問を行う会が催されます。この際、「この項目はどのようなものを含むのか」「どうして必要なのか」をかなり細かくチェックされます。英語で。各項目の想定している購入物や、必要な根拠とGoogle翻訳をご用意ください。基本的にWordPressコミュニティとのやりとりは英語になります。
用意してもらったサイトは必要最低限のティザーサイトです。今回のイベント用にサイトをカスタマイズしていきます。カスタマイズと言いますが、普通のWordPressサイトと違い、制約があります。
- 独自テーマ制作不可
- テーマファイルの編集不可(外部CSSのみ追加可能)
- プラグインインストール不可
かなり厳しい制限かなと思います。WordCamp Osaka 2019のサイトはTwenty Nineteenが利用されています。子テーマも作らず、テーマファイルのカスタマイズもできず、どうやってオリジナルデザインのサイトを構築するかというと、外部CSSで全ていじくります。WordCampのサイト構築をお願いする人は、CSSチョットデキル人が最適です。
サイト制作の裏で、会場の予約を行います。会場予約前に会場の下見に行った方がイメージがわきやすいです。懇親会の開催を考えている場合は、懇親会会場も早めに抑えておいた方が良いです。予算を承認してもらい、会場予約完了をコミュニティに伝えると「WordCampやるよ!」と言えるようになります。
TwitterやFacebookなどSNSを利用して、イベント情報をたくさんの人に知らせます。SNSはとても重要で、たくさんの人にリーチするので、サイトに情報公開したり、何か新しいことが決まった場合は、SNSで早めに拡散しましょう。
会場をどのように使うか、セッションの部屋を何部屋にするかを考えます。STEP7-10はほぼ同時期にやっているので、他のチームといろいろ相談しながら決めていきます。
WordCampを開催するには、会場費やノベルティ作成費など多額の費用がかかります。そこで、サポーター企業(スポンサー)を募集して、開催の支援をお願いします。なお、WordCampではサポーター企業にも100%GPLを要求します。開催概要をまとめて企業のみなさんに送付します。「協賛します!」という企業がきっとすぐに現れますので、企業担当の方とやりとりして、サイトにサポーター企業情報を掲載したりします。なお、WordCamp Osaka 2019はご覧のみなさんに協賛いただきました!(ページ下部)
WordCampのスピーカーは『公募』となります。スピーカー募集フォームをつくって、応募してもらいます。サポーター企業もそうですが、なるべく早く募集を始めた方が良いです。スピーカー募集期間が終了すると、どのスピーカーに登壇をお願いするか選考します。あんな人やこんな人、海外の方などすごい方々から募集がきますが、自分のやりたいWordCampの思想からブレずに選考していきましょう。登壇する方が決まったら、連絡をしてサイトにスピーカー情報を掲載したりします。とても大事なことですが、登壇スライドは1ヶ月前くらいには提出してもらうようにしましょう。なお、WordCamp Osaka 2019はご覧のみなさんにご登壇いただきました!
素敵なセッションや、サポーター企業のブースなどでも十分賑やかなイベントとなりますが、アトラクションがあるとさらに盛り上がります。スタンプラリーやサポーター企業ブースツアーなどを企画して、より盛り上がる施策を考えます。
参加チケットを販売します。なお、チケットを無料にするか有料にするかは各WordCampに委ねられます。参加チケットは公式サイトにチケット販売機能がついているので、そちらを利用します。今までの経験からのイメージですが、無料だと早くから参加者が集まりますがドタキャンされる確率が高く、有料だとイベント情報が充実しないと購入されず、参加者が集まるのは後半に集中します。有料にする場合は、早めにイベント情報をサイトに掲載した方がよいです。
オリジナルのステッカーやクリアファイル、パンフレットなどの制作を行います。オリジナルのわぷーを作ったりもします。とてもデザインチームに負荷がかかるので、進捗確認はこまめに行った方が良いです。
イベント当日に利用するものをまとめ、レンタルします。すごい量になると思うので、なるべく早めにまとめた方がよいです。
実行委員だけでは当日の担当者が足りない可能性があります。というかほぼ足りません。そこで当日にお手伝いしていただける方を募集します。このスタッフも100%GPLが求められます。当日スタッフがスムーズに活躍できるように当日のマニュアル作成やオリエンテーションを行ったりします。なお、WordCamp Osaka 2019は50名を超える当日スタッフの方にご協力いただきました。(名簿はあるけど公開できない…)
ノベルティ、パンフレット、サポーター企業の荷物、Tシャツ…など、すごい数、ほんとにすごい数の荷物があるので、それを運びます。なお、都合よく全ての荷物が前日や当日に集まると言うことはほぼないので、どこかに荷物を保存しておく場所があった方がよいです。WordCamp Osaka 2019ではJUSO Coworking, ウェブオールさんにご協力いただきました。荷物の運搬もかなりの量があるので大変です。こちらは @tbshiki さんにご協力いただきました
当日です。頑張るだけです。笑顔で参加者さんを迎えましょう。懇親会がある場合は懇親会も頑張りましょう。懇親会はうっかり気が緩んでしまうので気をつけましょう。最後まで実行委員会はホストです。なお、WordCamp Osaka 2019はご覧のみなさんにご参加いただきました!
非常にたくさんの方々にご協力いただきました。ほんとうにありがとうございました!!!